インタナショナルレベルでは、文化的、学術的、技術的蓄積の多い関西圏の特性を生かし、世界との結節機構づくり、世界各地域との交流による新しい価値の創造と知識の提供を行う拠点づくりが求められる。
ナショナルレベルでは、新時代に必要な高次機能の構築と国土の双眼構造実現のための拠点形成の重要な役割が求められる。
リージョナルレベルでは、交流人口の拡大、関西圏へのグローバルレベル、インタナショナルレベルの要請の拡大、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえた広域的で多核ネットワーク型の都市圏構造づくりの必要性などから、これからの100〜200年間にわたって利用できる新しい都市構造とそのインフラストラクチャーの構築が必要となっている。また、大阪湾と沿岸陸域における広域的な環境管理システムの構築、大阪湾の水質改善と生物多様性の回復が重要なテーマとなる。
コミュニティ&ヒューマンレベルでは、市民へのアメニティの高い環境の提供、既存都市機能の更新、浅海域とその浄化能力の回復などが必要である。
4−2. コリドールラインによる環境創造マリン・コリドールのコリドールライン(大型共同溝)には、旅客輸送システムが内包され、大阪湾を約40分で一周し、大阪湾環状都市の形成に重要な基盤を提供する(Table1, Fig−5参照)、
Table-1.Function and System of Corridor-line 1)
一方、コリドールラインは、でき得る限り上部を藻場や魚礁とする。藻場や魚礁は、産卵場、稚仔魚が育つ場となるとともに、陸域からもたらされるリンや窒素を生物が取り込み、水質の浄化を行うことになる。
そして、大阪湾の環境は、コリドールラインの随所に取付けられる環境モニタリングシステムにより常時監視される。
さらに、コリドールラインに内包する交通・物流システム、エネルギー輸送パイプライン等は、広域的な都市構造の構築を促し、有害排出物の削減をはじめとする大気環境問題への対応、自然災害に強い都市づくりも可能とする。
4−3.コリドールリンクによる環境創造
マリン・コリドールのコリドールリンク(環境共生型海上都市)は、大阪湾岸諸都市の沖合い10ヶ所に設置され、それぞれ地域特性に沿って特徴的な高次機能をもち、21世紀地球社会の智慧の都「関西」形成の基盤的役割を発揮するとともに、多核ネットワーク型の大阪湾環状都市の新都心群となる(Fig−6参照)。
そのことと同時に、コリドールリンクの水際線は、干潟、砂浜、岩場とし、生物の生育環境を提供するとともに、水質の自然浄化を促進する。
Fig−5.Section and Environmental Creation of Corridor−line 2)5)
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